女子ラグビー
WOMEN'S RUGBY
2018年現在の内容
東海大静岡翔洋高校ラグビー部女子の歴史
文責・ラグビー部部長(女子監督)本多 茂
2011年4月のある日、その歴史は始まった。ある女子生徒が当時監督であった私のもとを訪れ、「女子サッカーをやりたくて入学しましたが、やはりラグビーをやりたくなったのでラグビー部に入部させてください。」と申し出たのだ。
その女子部員の兄は入れ違いで卒業していたものの本校ラグビー部のOBであり、父親もまた本校の前身校のラグビー部OBであったので、妹の入部は今から思えば必然であったのかもしれない。そこで私は「一人ではつまらないだろうから、誰か友達でも連れて入部したら。」と答えたところ、数日後に同じ中学校の同級生を連れて来た。ここから女子部員2名の細々とした活動が始まったのである。
1か月ほど経った時である。授業に行っていた2年生のクラスの女子生徒が「先生、女子ラグビーができたのですか?」と聞いてきたので、「できてはいないけど、新入生の2名が入部したよ。」と答えると、その女子生徒も「私も前からラグビーをやってみたかったんだ。」とのこと。聞けば兄が本校の近隣校出身で、ラグビー部員だったそうである。また兄が本校OBだった女子マネージャーの一人も、「私も以前からプレーしてみたかったんです。」となり、5月頃には4名の女子部員が男子に混じりながらの活動となった。その夏は試合はできなかったが、男子と一緒に聖地・菅平合宿にも参加した。
翌2012年にはさらに3名の新入部員も加わったが、途中入部の3年生一人の進路希望が、試験に実技がある音大進学であると知り、ケガをされては困るため半強制的に退部を命じ、皆でオイオイ泣きながら最後の活動を終えたのも今は良き思い出。さらに2回目の菅平合宿では、女子の強豪・石見智翠館高校のグランドに出向き合同練習をするなど、他校女子との交流も少しずつ深まっていった。
その年末には男子が4年ぶりの花園出場を果たすと同時に、最初の女子部員が開会式後の女子7人制普及の部に選出され、全員に応援される中で彼女はトライをあげるなど活躍。また最初の卒業部員となる、元マネージャーの進学先がデザイン系ということもあり、現在着用しているカラフルな公式戦用ジャージは彼女がデザインしたものである。
その後、女子サッカー部員たちと合同練習をし、4月には全国高校女子セブンズ選抜大会に出場。初心者の集団ながら2勝を挙げることができた。さらに年末の女子7人制普及の部にも、2013年と2014年に計3名が選出されることとなった。
その後も女子部員の入部は毎年続き、2015年にはついに初のラグビー経験者3名を含む7名の新入部員を迎え、翌2016年4月には2度目の全国高校女子セブンズ大会に出場し、この年はプレートの部準優勝をするまでに成長を見せた。またその年の6月に3年生の一人が、太陽生命セブンズ大会のチャレンジチームの一員に選出された。
2018年4月、県外から経験者4名が先輩たちを頼って、また現役部員の勧誘により初心者7名の11名が入部し、現在では20名ほどの部員数となった。
このようにして一人の女子生徒の入部から始まった東海大静岡翔洋高校ラグビー部女子の歴史は、先輩方の思いが脈々と受け継がれて現在に至っている。